Uber(ウーバー)は、アメリカ合衆国の企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリである。現在は世界70カ国・地域の450都市以上で展開している。
概要
Uberは2009年3月にトラビス・カラニックとギャレット・キャンプにより設立。2015年の予約売上は108億4000万ドル(約1兆3000億円)と推定されていた。
特徴としては、一般的なタクシーの配車に加え、一般人が自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶ仕組みを構築している点で、顧客が運転手を評価すると同時に、運転手も顧客を評価する「相互評価」を実施している。
世界では、タクシーにおいて「領収書を発行しない」「タクシーメーターを倒さず、法外な料金を請求しボッタクる」「わざと遠回りして料金を請求する」といった問題が多く起こっていることから、これらの問題を回避し、さらに車両オーナーにとって「簡単な小遣い稼ぎ」ができる点が受けている。しかし、既存のタクシー業界からの反発も根強く、訴訟や運輸当局から営業禁止命令を受けたり、タクシーと同等の規制を課す国、地域もあるほか、企業としては運転手を直接雇用しないビジネスモデルだけに運転手の一部から雇用関係の認定や、損害賠償を求める訴訟を起こされるリスクを抱える。
2016年7月、中華人民共和国の事業を滴滴出行に売却し、市場から撤退した。
2017年6月、トラビス・カラニック最高経営責任者の無期限の休職を発表した。カラニックは5月にボート事故で母を亡くし、父も重症を負っていた。
2017年6月、休職していたトラビス・カラニックCEOが5つの主要投資家らから辞任を求める共同書簡を受け取り、その後辞任を表明した。カラニックは取締役としてのみ留まる。UberはCEO、COO、CFO、CMOの主要ポストが全て空席状態になった。
2017年8月、取締役会が次期CEOに旅行サイト大手エクスペディア・グループのCEO、ダラ・コスロシャヒを指名したとrecode、ニューヨーク・タイムズなどが報じ、その後正式に就任が発表された。
2017年8月末、最初の全社会議でダラ・コスロシャヒCEOは「18ヶ月から36ヶ月以内にIPOを行うべき」だと述べた。
2017年12月28日、ソフトバンクグループ、ドラゴニアインベストメント、TPGキャピタル、テンセント、セコイア・キャピタルからなる投資家連合が総額約90億ドル(既存株主からの公開買付77億ドルおよび直接出資12億5000万ドル)を出資し17.5%の議決権を取得する。
2018年3月26日、東南アジア事業をGrabに売却し、市場から撤退した。
2019年4月、ニューヨーク証券取引所への株式公開を申請[2]。5月10日、同証券取引所における取引が開始された。
日本国内でのUber
日本では、2013年9月に日本法人「Uber Japan株式会社」が第2種旅行業者として登録され、同年11月より台数限定でのトライアルサービスを行い、2014年8月より東京都内全域で本格的にタクシーの配車サービスを開始。2015年2月には、福岡市において諸外国同様に一般人が自家用車で運送サービスを行う「みんなのUber」のテストを開始するが、国土交通省から「自家用車による運送サービスは白タク行為に当たる」として、サービスを中止するよう指導が入り、同年3月にサービスを中止した。
2015年10月4日、リサイクル可能な衣類を回収して東北に届けるというチャリティーイベント「UberRECYCLE」を開催した。イベント期間中、対象エリア内でウーバーのアプリを開くと、配車に加え「RECYCLE」メニューが出現し、前日に講習を受けてドライバーアプリをインストールしたボランティアドライバー(一般人)が自家用車で向かい、衣類を回収するというもので、ウーバードライバーの体験ができた。
2015年10月20日、国家戦略特区諮問会議で、内閣総理大臣安倍晋三は「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と述べ、一般の人が自家用車で有償送迎する「ライドシェア(相乗り)」を可能にする規制緩和を検討するよう指示したが、対象は地方を中心とする国家戦略特別区域であるため、日本で一般ドライバーによる、本来のUberサービス開始時期は未定である。
2016年5月25日、トヨタ自動車とライドシェア領域における協業を検討する旨の覚書を締結した。
2016年5月26日、京都府京丹後市のNPO法人がUberの仕組みを採用して、一般人による有償旅客輸送を開始した。これに対し、タクシー業界側は対抗手段として京都市内の事業者が営業所を開設している。