宗教の彼方にある宇宙論
この宇宙には125のパラレル・ワールドが存在し、その均衡を多次元宇宙捜査官=MVAが守っていた。しかし、その均衡は突如破られることに。捜査官の一人ユーロウが他の次元の“自分”を殺し始めたのだ。一人殺すたびに、そのエネルギーは生き残った他の次元の“自分”に流れ込む。エネルギーを吸収して超人化して行くユーロウ。残るは、保安官として妻と平和に暮らすゲイブのみとなった。彼を殺せば、唯一無二の存在“ザ・ワン”となり、全能の力を得るユーロウ。一方ゲイブの方も自分の超人的な力に気づき始めていた…
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ネタバレ参考
この映画、普通に見ると正直凡作である。ジェット・リー以外の良さは正直ないが、そもそもこの映画、ジェット・リーが『マトリックス リローデッド』のオファーを蹴ってこの映画に出たことを考えて見るべきだ。パラレルワールドを行き来し唯一になると超人的な力を得るという設定とそのために他次元の自分自身をイレーズしにいくという動機付けが気にかかる。
設定を飲み込むのには、映画の説明文を読んでから見るとわかる。設定そのものはマルチバース(多元宇宙)+超弦理論と捉えられる。「宇宙は複数存在し、現在の宇宙や未来、過去の宇宙もありうる」という前提から、量子トンネルを使ったワープ(描写方法が情報の再構築)が可能になっている未来文明の世界から、もう一人のジェット・リーがやってくる。この辺り、過去・未来の世界観とでも言うべき線状の時間の流れが、「レコードのように決まった運命を辿る」ターミネーターの設定とは一線を画す。(そもそも時間は概念であって現在という結果の連続(過去・未来)でありタイムマシン的なものが存在するならそれはマルチバースな世界を旅する事と察する。)
ラストの経緯がいまいち釈然としなければ、宗教的宇宙観(天国と地獄)があれば着眼センスのよさを感じる作品だ。実はラストはほっこりするし最後の回収の仕方やオチで”悪のジェットリー”の末路には笑える。多次元宇宙論からも「六道の辻」
http://www.rokudou.jp/legend/
の地獄(阿修羅道)を連想俯瞰するにはもってこいのSF映画だ。
死後の裁き 〜地獄の審査フロー〜
待ち構える8つの地獄
ここからも、惑星地球が肉体をまとった「試しの生涯(実験霊魂精錬惑星)」であることは間違いない。
Source by
動画:“The One – Ending – Jet Li” Christian Hamilton -YouTubeチャンネル
画像:“地獄とはどんな場所?落ちたらどうなるの?仏教の地獄を徹底解説” 和樂
参考:“「ザ・ワン」”Amazonレビュー
アイキャッチ:“Creative Commons CC0” Pxhere
ディスクロージャー
冒険心旺盛な私です。なんでもやってみたがリヤ!このサイトも独学で立ち上げています。というか、実は資金難が本音。自分ではベストを尽くしていますが、果たして評価はいかに?
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