放射線は、放射線物質(放射線源)あるいは放射線発生装置より発生する。放射線源が密封線源の場合、被曝は身体の外部からの被曝である外部被曝だけであるが、非密封線源の場合、外部被曝に加えて身体の内部に放射線物質が入り込むことによる被曝である内部被曝も考慮しなくてはならない。
外部被曝として問題になる線種はガンマ線、X線、ベータ線、中性子線で、これら放射線を防護する方法には次の三つがある。
放射性物質が空気中などに拡散して存在している場合、その放射性物質が体内に入り込むことによる内部被曝の恐れが生じる。そのため、内部被曝については放射性物質を体内に取り込まないような防護が基本となる。体内に取り込まれる経路としては、次の三つがある。
内部被曝をした場合、すなわち一度体内に放射性物質が取り込まれた場合、その取り込まれた放射性物質を除くには、物理的減少(放射性崩壊)と共に生体機能の代謝による排出を待つよりほかない。
体内に取り込まれた放射性物質がどのように振舞うか(体内のどの部位に沈着するか)は、その元素の化学的性質によって異なる。
例えば、ヨウ素は選択的に甲状腺に取り込まれ沈着する。アルカリ土類金属であるストロンチウムは骨中の同じくアルカリ土類金属であるカルシウムと置き換わって体内に蓄積することが知られている。一方で、カリウムやセシウムは水に溶け込み全身の細胞内に広がる。このように、放射性物質の種類によって体内に摂取された後に存在する場所が変わる。
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